スコットランド1-0、イングランド1-0。欧州遠征2連戦でわかったこと——W杯本番への収穫と課題を整理する

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最終更新:2026年4月3日

やりましたぁああ!!!

グラスゴーでスコットランドを下し、ウェンブリーでイングランドを下し、2試合とも1-0。2連勝!!

日本代表は今回の欧州遠征で、W杯優勝候補のイングランドに対して歴史的な初勝利を飾り、昨年のブラジル代表戦から数えて5連勝という結果となりました。

試合後、森保一監督はこう語っています。「粘り強く戦い、辛抱強く勝っていくことを選手たちが実践してくれた。どんなチームにも勝っていける自信になった」。

ただ、勝利の喜びに浸りながらも、冷静に振り返っておきたいことがあります。この2試合は何を証明し、何が課題として残ったのか。W杯本番まで約2ヶ月半——今回の遠征を正直に総括します。

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目次

2試合の結果と基本データ

第1戦:スコットランド 0-1 日本(3月29日 ハムデン・パーク)

データ状況
得点伊東純也(84分)
日本のスタメンGK鈴木彩艶、DF瀬古歩夢・渡辺剛・伊藤洋輝、MF菅原由勢・藤田譲瑠チマ・田中碧・前田大然、FW鈴木唯人・佐野航大・後藤啓介
起用人数GK以外フィールドプレーヤー20人全員起用
森保監督コメント「形を変えて点を取れたことは自信になる」

第2戦:イングランド 0-1 日本(4月1日 ウェンブリー・スタジアム)

データ状況
得点三笘薫(23分)※中村敬斗のアシスト
日本のスタメンGK鈴木彩艶、DF渡辺剛・谷口彰悟・伊藤洋輝、MF堂安律・鎌田大地・佐野海舟・中村敬斗・伊東純也・三笘薫、FW上田綺世
スタメン変更スコットランド戦から8人変更(鈴木彩艶・渡辺剛・伊藤洋輝のみ続投)
イングランドの主な欠場サカ、ライス、ベリンガム、ケイン(メンバー外)
森保監督コメント「どんなチームにも勝っていける自信になった。これからも気を引き締めて」

第1戦:スコットランド戦の総括

狙い通りの「テストマッチ」

スコットランド戦は最初から「イングランド戦への準備」と「W杯メンバー選考の最終確認」を両立させる設計でした。スタメンはサブ組中心、後半はフィールドプレーヤー10人全員を入れ替えるという超大胆な起用。まさにW杯の登録26人全員を試す「総合テスト」でした。

スコットランドはベストメンバーに近い布陣で臨んできましたが、日本はサブ組のスタメンで前半0-0の内容を维持できました。ある評論家はこの前半を「サブ組の日本と主力組のスコットランドの戦い、主導権はやや日本にあった。これが日本に地力がついたことの証明」と表現しています。

最大の収穫①:鈴木彩艶の復活

骨折から復帰した鈴木彩艶がマクトミネイの枠内シュートをビッグセーブするなど、GKとしての質を再確認。「感覚的にはクラブでの試合より良くなっている」と語るほどコンディションは良好で、正GKとしての安定感を示しました。

最大の収穫②:塩貝健人のA代表デビュー

初招集でいきなりA代表デビューを飾った塩貝健人(ヴォルフスブルク)が上々のパフォーマンス。決勝ゴールの場面では鈴木淳之介の折り返しを1タッチで落とし、伊東純也の決勝弾をアシスト。「これから長い間日本代表でプレーしたい」と語った22歳に、W杯本番への可能性が見えました。

最大の収穫③:後半の「超攻撃的3-1-4-2」

後半、三笘・伊東・上田ら主力を投入した後に見せた「3-1-4-2」への変形(鎌田がアンカーに入る形)が機能し、終盤は一方的に押し込む展開に。この布陣変更について伊東純也は「気づいてなかった」と語るほど自然に変化しており、鎌田はアンカー起用について「思ったよりできた」と手応えを語っています。W杯本番での「切り札オプション」として機能する可能性を示した場面でした。

課題:決定機を仕留める精度

試合を通じて多くの決定機を作りながら、最終的に得点は後半39分の1点のみ。鈴木唯人も「一番いい感覚が持てている」と語りながらもゴールは奪えず。決定力の問題は今後も向き合い続けなければいけない課題です。

第2戦:イングランド戦の総括

「歴史的勝利」の内実

ウェンブリー・スタジアムでイングランドを下した。これは日本代表の歴史上、初めてのことです。過去3回の対戦はすべて敗戦か引き分けで、サッカーの母国に日本が勝つという場面はこれまで一度もありませんでした。

英BBCはこのゴールを「大惨事だ!日本に切り裂かれた」と報じ、試合後には「FIFAランク18位?嘘だろ」「日本は観ていて楽しい」「洗練されている」と手放しで称賛しました。

ただし、イングランドはサカ・ライス・ベリンガム・ケインが欠場しており、ベストメンバーではありませんでした。この点は正直に踏まえておく必要があります。

ゴールシーンの解説:三笘と中村敬斗の「完璧なカウンター」

23分、三笘薫が自陣でボールを奪取。そこからカウンターを発動し、右サイドの中村敬斗に預ける。中村敬斗が完璧なグラウンダークロスを折り返し、三笘が冷静に流し込んで先制。

「中村敬斗が好アシスト、正直鳥肌が立つ」と中村本人が語ったほどの美しい連携。スピードと判断の鋭さが詰まった、日本代表の現在地を象徴するゴールでした。

最大の収穫①:佐野海舟のMOM級パフォーマンス

この試合の最大のサプライズは佐野海舟(マインツ)の圧倒的なパフォーマンスでした。スポーツ報知の採点では全選手最高点の「7.5」をマーク。「実にダイナミックでファンタスティック。中盤で大躍進。MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)」という評価。

ベリンガム・ライスを欠いたイングランドとはいえ、FIFAランク4位の相手に対して中盤の底で対人守備・球際・セカンドボール回収を完遂した内容は、鎌田の隣にこれだけやれる選手がいることを証明するものでした。「課題と向き合って成長していければ」と語る謙虚さも含め、W杯本番のメンバー入りが濃厚になりました。

最大の収穫②:鎌田ボランチ+佐野海舟が機能

遠藤・守田不在の今、「ボランチを誰が担うか」が最大の課題でした。その答えとして今回のイングランド戦で提示されたのが、鎌田のボランチ+佐野海舟の組み合わせです。

「攻撃時も守備時も、いてほしいところで+1を作る動き。一言で言えば賢い」(鎌田の採点コメント)。「ウェンブリー過去3戦全勝の鎌田大地」という見出しも出るほど、鎌田のウェンブリーとの相性の良さも改めて確認できました。

最大の収穫③:谷口彰悟の復活

アキレス腱断裂から復帰した谷口彰悟が3バックの中央として90分プレーし、「自分の中でものすごく大きい経験値になった」と語りました。30代で初めてのW杯を目指す谷口にとって、この試合は大きな自信になったはずです。

最大の収穫④:鈴木彩艶の守護神ぶり

後半は防戦一方になりながら、鈴木彩艶が再びビッグセーブを連発。536日間続いていたイングランドGKピックフォードの無失点記録を三笘が破った一方、鈴木は日本ゴールを守り続けました。2試合連続の完封は守護神としての信頼を大きく高めました。

課題①:後半の「逃げ切り采配」

後半は森保監督が大量交代でリードを守りに行く方針を取り、終盤は防戦一方になってしまいました。この采配については「なぜ残り20分守りに徹したのか」という批判的な意見も出ています。

守り切れたことは事実ですが、W杯本番では相手がさらに強くなります。「リードしてから終盤まで主体的に戦い続ける」という課題は残りました。

課題②:パワープレーへの対応——190cmの巨人を投入されてからの苦しさ

今回の遠征で最もヒヤヒヤした場面は、後半終盤にイングランドがマグワイア(193cm)とダンバーン(201cm)を相次いで投入し、シンプルな空中戦に切り替えてきたところでした。

ロングボールをことごとくこの2人のターゲットに合わせられ、コーナーキックで押し込まれる場面が続出。日本の3バックは対人守備の強さはあるものの、193cmと201cmという巨人2人が入ってセットプレーを連続されると、フィジカルで押しきられそうになる場面が何度か生まれました。

最終的には鈴木彩艶のビッグセーブと全員の体を張った守備で守りきりましたが、「これをW杯本番の相手にやられたら」と想像すると、素直に安心できない内容でした。

日本代表は平均身長で欧州の強豪国に劣るのは構造的な問題です。テクニックとポジショニングで対応できている間はいいのですが、試合終盤に疲弊した状態でシンプルなパワープレーを仕掛けられると、対応が後手に回りやすい。グループFのオランダ(ファン・ダイク193cm、デパイ185cm)スウェーデン(ギョケレシュ186cm、イサク190cm)はまさにこのパターンを持っているチームです。

「守り切れた」という事実は素晴らしいですが、「ヒヤヒヤしながら守り切った」という現実とも向き合う必要があります。パワープレーへの対策は、W杯本番までに詰めておくべき最重要課題の一つです。

課題③:攻撃の厚みと決定機の数

前半は三笘のゴール1本で決着でしたが、決定機の数は多くありませんでした。イングランドの守備が整っていた前半は、なかなかシュートまで持ち込めない場面も多かったです。1点を守り切れる強さは証明しましたが、複数点を取って試合をコントロールする力はまだ課題として残っています。

遠征全体を通じた「5つの発見」

①鈴木彩艶は正GKの座を確実にした

2試合通じて完封。骨折からの復帰後にこれだけの安定感を見せれば、正GKの座は揺るぎないものになりました。

②鎌田ボランチ+佐野海舟の組み合わせがレギュラー格

遠藤・守田のポジションをこの2人が担う形が機能することを証明しました。特に佐野海舟のパフォーマンスは遠征最大のポジティブサプライズの一つです。

③三笘・伊東・上田らの「本番組」はコンディションが良好

三笘はイングランド戦でゴールを決めながら「この戦いを本番でできるかが大事」と語りました。慢心なく、すでに次を見ている。本番組の仕上がりは上々です。

また、三苫の左シャドーがかなり効果的でした。新たな攻撃パターンを作り出せたのも大きな収穫となりました。

④「守りの3バック」として谷口・渡辺・伊藤洋輝は機能する

スコットランド戦・イングランド戦と連続して無失点を維持した3バック。特に渡辺剛の対人守備と谷口のラインコントロールは、W杯本番でも通用するレベルを見せました。

鈴木淳之介の左CBでの起用もパフォーマンスよく、さらには守備的にいく場合は左WBで起用しても全く問題ないことが証明されました。

⑤塩貝健人・後藤啓介ら「新顔」がW杯枠争いを変えた

塩貝はA代表デビューでアシスト。後藤啓介はポストプレーと守備で存在感を示しました。「W杯メンバーはほぼ固まっている」という事前の見方を変える活躍で、残り枠の競争がさらに激化しました。

W杯本番に向けて:残された課題と今後のスケジュール

残された主要課題

遠藤航・冨安健洋の復帰状況

今遠征を離脱した2人のコンディション次第で、W杯本番の戦力が大きく変わります。5月の壮行試合(アイスランド戦・5/31)が最終判断の場になりそうです。

南野拓実・久保建英の状態

この2人が本番までにどこまで戻れるかが、攻撃のオプションに直結します。特に南野のACL断裂からの回復は、5月の段階で慎重に判断されることになります。

複数点重ねていく

2試合とも1-0勝利。守備の堅さは証明しましたが、攻撃の多様性と得点力はまだ課題として残っています。オランダやスウェーデン相手には守り一辺倒では苦しい試合が続くかもしれません。

今後のスケジュール

時期イベント
4〜5月各選手のクラブでの最終調整・コンディション管理
5月31日vsアイスランド 壮行試合(国立競技場)
6月上旬W杯26名メンバー発表
6月11日W杯2026 開幕
6月15日vs オランダ(グループF第1戦)

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まとめ

今回の欧州遠征を一言で言えば——「地力があることを証明した2週間」でした。

怪我人が続出した中でも、スコットランドに勝ちイングランドに勝った。使えるカードが限られた状況でも勝ち切る力は、W杯本番でも必ず活きてきます。

ただし三笘薫が試合後に言った「この戦いを本番でできるかが大事」という言葉が全てを表しています。これは通過点。本番のグループFは、オランダ・チュニジア・スウェーデンという3チームとの真剣勝負です。

6月11日の開幕まで残り約2ヶ月半。このチームが「最高の景色」を見に行く準備は、着実に整いつつあります。

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この記事を書いた人

通勤電車でサッカーを観続けて20年。日本代表の試合は深夜でも早朝でも必ず観る、根っからのフットボール狂。W杯2026北米大会に向けて、戦術・メンバー・視聴方法まで「通勤中に読める」をテーマに発信しています。関東在住・アラフォー・サッカー観戦歴20年以上。

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