2022年カタールW杯のスペイン戦。後半アディショナルタイム、ゴールラインを割りかけたボールをかき出した三笘薫の「1mmのクロス」が、日本サッカーの歴史を変え今でも鮮明に覚えています。
まさに日本サッカー界に残る名場面でした。
あの瞬間から3年半。三笘薫はプレミアリーグ・ブライトンで世界トップクラスの左ウィングとしての地位を確立し、日本代表においても「左サイドの絶対的な主役」として君臨しています。
欧州遠征、そしてW杯2026、三笘薫はどのような役割を担い、何を見せてくれるのか。この記事で整理します。
三笘薫の現在地|ブライトンで確立した「世界基準」
📋 三笘薫 プロフィール
| 生年月日 | 1997年5月20日(28歳) |
|---|---|
| 出身 | 神奈川県川崎市 |
| ポジション | 左ウィング(LW)・左ミッドフィールダー |
| 現所属 | ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン(プレミアリーグ) |
| 経歴 | 川崎フロンターレ → ユニオン・サン=ジロワーズ(ベルギー)→ ブライトン |
| 特徴 | 左足の突破力・変幻自在のドリブル・クロス精度 |
ブライトン加入後、三笘薫はプレミアリーグで左ウィングとして圧倒的な存在感を発揮しています。1対1の突破成功率・ドリブル数はリーグ屈指の数字を記録しており、世界中のクラブが注目する選手になりました。
プレミアリーグという世界最高峰のリーグで、相手の右サイドバックと毎週「世界レベルのデュエル」を繰り広げていることが、三笘の現在地を端的に示しています。
日本代表での役割|左サイドの「唯一無二」
森保ジャパンにおいて、三笘薫の役割は明確です。左ウィングまたは左ウィングバックとして、相手の右サイドを破壊する存在です。
三笘の左サイドからの突破は、現在の日本代表における最も信頼できる「得点へのルート」のひとつです。ドリブルでの突破、左足クロス、カットインからのシュートと、多彩な崩し方を持っています。
3バック時と4バック時の役割の違い
| システム | 三笘のポジション | 主な役割 |
|---|---|---|
| 4-2-3-1 or 4-3-3 | 左ウィング(LW) | 相手SBとの1対1で突破。ゴール・アシストを直接狙う |
| 3-4-2-1 or 3-4-3 | 左ウィングバック(LWB) | 守備時は5バックの一翼。攻撃時は高い位置でオーバーラップ |
どちらのシステムでも、三笘の攻撃的な役割は変わりません。ウィングバック時はより広いエリアをカバーする運動量が求められますが、攻撃局面での「左サイドからの崩し」という本質は同じです。
ただ相手の方が強豪国で押し込まれてしまう場合、ウィングバックは自陣のサイドでの守備を強いられます。そうするとなかなか前にポジションを取れずに攻撃面での良さが出づらいというデメリットもあります。
特にW杯のような強豪国が本気で挑んでくる場合は、上記のようなデメリットが浮き彫りになってしまう可能性があります。そういった意味でも三苫選手がどのように打開していくのか、初戦のオランダ戦がとても楽しみです。

W杯2026の各試合での期待される活躍
オランダ戦(6月15日)
最大の注目試合。オランダの右サイドバックとの1対1が試合のカギを握ります。オランダはダンフリースやデスト(またはその後継者)など攻撃的なSBを好む傾向がありますが、裏返せば三笘が守備の隙を突ける可能性も高い。
カタール大会のスペイン戦のように、「強豪相手に三笘が局面を打開する」シーンへの期待は最も高い試合です。

チュニジア戦(6月21日)
日本がボールを持つ展開が増えると予想される試合。三笘が相手の守備ブロックを崩す起点になる場面が増えます。ゴール・アシストなど、数字としての活躍が最も期待できる試合です。

欧州PO-B勝者戦(6月26日)
どのチームが来ても欧州スタイルの組織的な守備が相手になります。三笘のドリブル突破が相手のブロックを崩す重要な鍵になる試合です。勝ち点が足りない状況なら、三笘の個人技に頼る場面が増えるかもしれません。

三笘薫がいる・いないで何が変わるか
三笘薫が不在の場合、日本代表の攻撃は何を失うのかを考えると、その重要性がより鮮明になります。
| 三笘が担う要素 | 代替候補 | 代替の難しさ |
|---|---|---|
| 左サイドの1対1突破 | 中村敬斗・相馬勇紀 | ★★★★☆ 高い |
| 左足クロスの精度と量 | 中村敬斗 | ★★★☆☆ 中程度 |
| 「試合を変える個人技」の存在感 | 直接的な代替なし | ★★★★★ 非常に高い |
三笘薫の最大の価値は「数字」だけではありません。相手チームが三笘対策として右サイドに守備リソースを割くことで、逆サイドの伊東純也・堂安律、中央の久保建英・鎌田大地らが自由になる——いわゆる「三笘のいることで生まれるスペース」が日本の攻撃を機能させています。
そして、ずっと日本代表の左シャドーとして出場していた南野拓実がケガで長期離脱となっています。今回の欧州遠征ではこの左シャドーのポジションに誰が入るのかが一つポイントになります。個人的にはこの左シャドーには、中村敬斗選手をおいて、左ウィングバックを三苫選手にするというのをみたいですね。

カタールW杯での三笘薫を振り返る
2022年カタール大会での三笘薫を振り返っておきます。
グループリーグのコスタリカ戦では途中出場するも無得点。スペイン戦では途中出場し、後半アディショナルタイムにゴールライン上でかき出したボールが田中碧のゴールにつながるという「歴史的な1mm」を記録。決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦でも先発出場しましたが、PK戦で敗退しました。
カタール大会では全力でプレーしながらも、コンディションや出場機会のムラがあったという見方もあります。2026年大会では万全の状態で全3試合にフル出場し、「三笘薫のW杯」と言える活躍を見せてほしいという期待が高まっています。
3月欧州遠征での三笘薫|コンディションと招集の最新状況
W杯本番まで残り約3ヶ月。3月28日のスコットランド戦(グラスゴー・ハムデンパーク)と31日のイングランド戦(ロンドン・ウェンブリー)は、本大会前の最後の強化試合と位置付けられる重要な2連戦です。代表メンバーは3月19日14時に発表予定。
気になる左足首の状態
三笘薫は3月4日のブライトン対アーセナル戦で、シュート時に相手選手と接触して左足首を捻挫。前半終了とともに交代を余儀なくされました。3月14日のサンダーランド戦でもメンバー外となっており、代表メンバー発表前最後のリーグ戦を欠場した状態です。
ただしブライトンのヒュルツェラー監督は「スキャンしたところ怪我はなく、痛みが問題。代表活動には参加できると思う」と楽観的な見方を示しています。骨や靭帯への深刻なダメージではない見通しで、招集される可能性は十分あります。
📅 3月欧州遠征の概要
| メンバー発表 | 3月19日(水)14時 |
|---|---|
| 第1戦 | 3月28日(土)vs スコットランド 日本時間3月29日(日)午前2時 ハムデンパーク(グラスゴー) |
| 第2戦 | 3月31日(火)vs イングランド 日本時間4月1日(水)午前3時45分 ウェンブリー・スタジアム(ロンドン) |
| 放送 | スコットランド戦:NHK総合 / イングランド戦:NHK Eテレ(いずれもU-NEXTでも配信) |

スコットランド戦での起用法予想
スコットランドはフィジカルが強く縦に速いサッカーが特徴。1998年以来のW杯出場を果たしており、今大会に向けてモチベーションも高い相手です。
この試合では森保監督は、3-4-3-を採用する可能性が高く、三笘は左ウィングバックで先発が予想されます。スコットランドの右SBはフィジカルはあるものの、スピードと技術での1対1では三笘が優位に立てる可能性が高い。縦への推進力を活かした突破からのクロスが最大の武器になります。
| 項目 | 予想 |
|---|---|
| ポジション | 左ウィング(LWB)途中出場 |
| システム | 3-4-3(後半4バックを試す可能性) |
| 主な役割 | 左サイドからの1対1突破・クロス供給 |
| 注目の対決 | スコットランド右SBとのデュエル |
イングランド戦(ウェンブリー)での起用法予想
W杯優勝候補の一角・イングランドとのウェンブリー対決は、W杯本番のオランダ戦に向けた最高のシミュレーションになります。トーマス・トゥヘル監督の下で欧州予選を全勝突破したイングランドは、組織的かつ個の質も高い強敵です。
三笘にとってこの試合は特別な意味を持ちます。以前のインタビューで「対戦した中で最も苦戦した選手」にイングランド代表のカイル・ウォーカーを挙げていた三笘。ウォーカーが出場する場合、その再対決が最大の注目ポイントになります。
| 項目 | 予想 |
|---|---|
| ポジション | 左ウィング(LWB)先発 |
| システム | 3-4-3 |
| 主な役割 | 強豪相手での突破力のテスト・押し込まれた際の対応 |
| 最大の注目点 | イングランドの右サイドの選手とのマッチアップ |
イングランド戦でパフォーマンスを発揮できれば、W杯初戦のオランダ戦への自信につながります。三笘自身にとっても、チームにとっても「本番前の最終確認」という意味で非常に重要な2試合です。
まとめ
三笘薫の現状と3月欧州遠征・W杯本番への見通しを整理しました。
- 3月19日のメンバー発表で招集可否が判明。招集される可能性は十分あり
- スコットランド戦:左ウィングで先発予想。相手右SBとの1対1が最注目
- イングランド戦:ウォーカーとの再対決が実現するか。W杯オランダ戦への最終シミュレーション
- 日本代表での役割は「左サイドからの破壊者」。システムが変わっても本質は不変
- 三笘がいることで生まれる「逆サイドのスペース」が日本全体の攻撃を機能させる
- カタールの「1mm」に続く、北中米での「三笘薫の瞬間」に期待
日本代表の戦術全体については森保ジャパン戦術解説記事、グループFの詳細はグループF完全ガイドをあわせてどうぞ。
それではまた!

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